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海のアイドル(228) [魚]

 変なオジイのくだらない話で恐縮です。
 例えば、セーターの片袖だけ通した手で鉄棒にぶら下りながらセーターを脱ぐとします。手首の方まで持ち上げてさて腕から外そうとするには鉄棒を持つ手を変える必要があります。両手を使わなければできませんね。片方の手だけでやろうとすると鉄棒から落ちてしまいますし、もしできたとしたら手品です。
 その手品のようなことをする生き物がいます。ちょうど今観察を続けているオオゴマダラ(蝶)、幼虫が蛹に変身するときこの手品をやってのけるのです。
 幼虫が蛹になる時、木の枝などの下面に口から出した糸で基盤を作りそこに尾の先の鉤を引っ掛けて逆さ吊りになります。この格好でしばらく蛹になる準備が整うのを待ちます。そして準備ができるとモゾモゾと動きながら最後の脱皮を始めます。
 先ず頭の後ろの皮が割れ身体を伸縮させながら脱いだ皮を上、つまり尾の方に上げていきます。全身脱ぎ終わって縮んだ皮の塊が、ぶら下がりの鉤のところにあるわけですが、次の瞬間大きく身体をくねらせたかと思うと、皮の塊をポトンと下に落とします。ぶら下がっている鉤を外さない限り輪っか状に脱いだ皮を落とすことはできないはずです。この間あっという間のできごと、まさに手品、不思議な瞬間なのです。
 前にこの瞬間を見たことがあるのですが、まるで狐に抓まれたようで再度このチャンスを狙っていたのですが、今回ちょっとした隙にこの手品が終わっており、またもや瞬間を見逃してしまいました、残念です。
 この蛹、今はまだ黄色く半透明の身体の中で蝶になるための変化が進んでいます。ちょうど明けたお正月に黄金に変身した蛹が見らると思います、乞うご期待・・・。

               今日のアイドル「アカボシハナゴイ」
               97.09.04 西表 サバ崎パーフェクト
        97.09.04アカボシハナゴイ.gif

               生息域が狭くしかも深い所なので
               なかなかお目にかかれない魚です
               この時のダイビングの最大水深36M
               せっかくだからもっと粘って
               じっくり撮りたかったところでしょう
               しかし長居出来ないので
               帰りを気にしながらの撮影だったはず
               そんな状態ではいい写真は無理
               これは何とか見られる貴重な一枚です

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