海のアイドル（１２）

（前日からのつづき、この辺りの話は東京でのことです）
　本屋でダイビング関連の本を探しましたが、この時代の話、今のような専門書やダイビング雑誌が選り取り見取りの状況にはなく、スポーツ関連の雑誌だったと思いますが、その片隅にチラッと紹介されていたダイビングクラブの記事が唯一の頼りでした。誘いに乗る仲間もいないまま単身でそのクラブのショップを訪ねました。
　とりあえず機材を揃えました。三点セットは持っていたのでウエットスーツ、レギュレーターにライフベスト、いくら位（価格）したか覚えていませんが、さぞ高かったことでしょう。
　ウエットスーツは黒のシャークスキン？というか細かい金網で型押ししたような生地、上着は尻尾みたいなぺらぺらを後ろから股下を通して前で止めるスタイル、レギュレーターはVoit製、国産はまだない時代、輸入品です。そして、エッ、ライフベストってなに？・・と思われる方もいると思います。そうこのころはまだＢＣは出回っていなかったのです。前掛けのようで空気の吹き込み口だけ、脇に小さい炭酸ガスのボンベが付いているという代物、飛行機のライフベストを水中用に加工したようなものです。
　機材が揃ったところで海での実習が始まりましたが、今のような学科講習のようなものはなく、即海へ出ての実技講習でした。
（つづく）


　　　　　　　　　　さて本日のアイドルは「カスリヘビギンポ」です。

　　　　　　　　　　　この魚もただ見ただけでは地味な魚です。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ストロボを利かして写真に撮ると、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　どうですこの艶やかさ、
　　　　　　　　　　　　透明感のある体色に
　　　　　　　　　　　　　　　　　　まるで色とりどりの宝石をちりばめたよう。

　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　　　　　特に意識しないで何気なく撮った魚が、
　　　　　　　　　　このように変身した姿を見せてくれることがあるのです。
　　　　　　　　　　　いつも見慣れている魚も、
　　　　　　　　　　　　　　　時には撮ってみるものだと
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　そして写真の楽しみ方をも
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　教えてくれた貴重な魚くんです。

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タグ：石垣・米原 カスリヘビギンポ